地域包括ケアシステムと地域医療連携に関わる職種と役割

地域包括ケアシステムは医療や介護、地域の健康に関する仕事をしている人たちには知らない人はいない話になってきましたが、一般の方は聞いたこともない人も多いと思います。地域包括ケアシステムとは地域住民が、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステムのことを指します。ずっと住み慣れた地域でいてほしいそんな願いから国が取り組んでいるシステムです。

この政策の背景には少子高齢化があります。2025年には4人に1人が65歳以上の高齢者となります。高齢者が増えると言うことは医療や介護の社会保障費の高騰が起こるのです。H25の厚生労働省の調査によると医療費は年間約42兆円の費用がかかっています。また介護保険費は約10兆円となっています。これはとてつもない金額で、今後ますます、医療や介護費は高齢化社会にとって必要になってきます。特に核家族化によって介護サービスを使わざるを得ない状況が増えていることや財源の確保が少子化によって困難になってきているのも問題を複雑化させています。これらの問題を解決していつまでも住み慣れた町で生活するために作られたのが地域包括ケアシステムです。

そうなんです。この背景には地域の社会保障問題と、住み慣れた地域で生活してほしいと言う2つのテーマが混在しています。

ただ、正しい地域包括ケアシステムを運営できれば二つの課題をクリアできる方法につながるのです。では具体的にどんな内容をするのかですが、それは市町村自身が考え独自の方法で社会保障問題と住みよい街にするかを考えて実行しなくてはいけません。

え?方法はないの?何をすべきかこれでは分からないのでは?と思ってしまいますが、どの市町村においてもある程度はやり方は見えています。最大の争点は実行者が取り組めるのか?と言ったところが一番の課題になってきます。

厚生労働省が大きな枠組みとして提示した1つ目は介護の充実です。介護が必要になった際に、多種多様な介護を提供できることが地域で住み続けられるポイントになります。2つ目は医療です。急性期病棟からかかりつけ医、リハビリテーションなどの一体化した切れ目のない医療を提供することで一人の人を支えることができます。3つ目は予防です。従来は介護や医療が健康を支えるものと捉えられてきましたが、病気にならない、怪我をしない予防にも今後力を入れていく必要があります。そのために4つ目の生活支援として日常の生活を支えて維持できる地域活動や交流の活性化を図ることも重要になります。最後に5つ目として住まいや環境として、地域交流できる公園や空き家の開放等を行っていく必要があります。人々が努力してもこれら環境がないことや制度の壁があると住みよい街になりにくいことがあります。これらは上記で述べた様に地域によって独自の発展を遂げることが望ましいとされているので多くの検討が必要です。重要となってくるのは、地域に眠っている財源を有効活用することです。元来、共助や公助の様な医療保険や介護保険の国の制度の中で健康を支える仕組みを作ってきましたが、地域包括ケアシステムでは自助や互助などの、自費のサービスや新たな地域活動なども協働して高齢者の健康を支える仕組みを作ることが重要です。この様な新たなサービスを生み出すことも求められていますが、これら新サービスや独自のサービスを受け入れる地域環境も重要なポイントです。とてもいいサービスがあっても自助サービスの物には手を貸せないとなると、地域の一体化が難しい場合が出てきます。医療や介護、地域が垣根を越えて連携できたとき地域包括ケアシステムは稼働してきます。これが地域医療連携です。具体的な地域医療連携の役割としては、高齢者が病気になった際に、普段はかかりつけ医に行き、必要な検査や治療を受けるには速やかに、紹介状を書いてもらい、他院や専門病院を受診できるようにすることがあります。また介護が必要になった際には地域にある介護サービスの提供やサロンなどの紹介を行い、高齢者が適切なサービスを受けられるように支援することも重要です。病院が病状を地域の方に紹介することや退院後の施設などの紹介を行うこともあります。まだまだ多くの連携が存在します。

この役割を担うのが地域医療連携室であり、職種としては、規定はなく地域の問題に対応できる職種が必要です。一般的には医師、看護師、ソーシャルワーカー、事務員で構成されていますが近年、理学療法士や作業療法士、栄養士、ケアマネ―ジャーなどの職員が加わることもあります。まだまだ、システムの構築としては弱い市町村も多く、2025年までに構築が急務となっている現状です。この連携には実行者が多くの垣根を越えて一人の人を支えることに柔軟に対応できるかが最も重要になっています。

関連記事

  1. 介護保険制度のあり方

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。